Secret
そんなある日のこと。

放課後、駅まで乃愛と帰り、別れて家の近くまで来ていた私は

「……あっ……」

ケイタイを忘れたことに気付いた。

そして選択を迫られた。

ケイタイを取りに学校に戻るか

それともケイタイは諦めてこのまま家に帰るか。

もし、これが学校のすぐ近くだったら前者の選択肢を迷わず

に選ぶ。

だけど、ここからだと100%家の方が近い。

今日、一晩くらい学校に置いてても大丈夫かな……。

そんな考えが脳裏を過ったけど

……ダメだ。ケイタイは常に手元に置いておかないと

すぐにその考えを改めた。

もしかしたら、あいつから連絡があるかもしれない。

その時に私と連絡が取れないと……軽く想像して私は後悔した。

……やっぱり、取りに戻ろう……。



私は今来た道をトボトボと引き返した。



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