Secret
だから、1人の時間がこんなに寂しく感じるのかもしれない。

再び溜息が漏れそうになった時

テーブルの上に置いていたケイタイが振動と共に音を発した。

静まり返っている部屋に突然鳴り響いた音は自棄に大きく感じて

「……ビックリした」

私の身体はビクッと大きく揺れた。

まだ変に高鳴る心臓を押さえながらケイタイの液晶を確認した私は通話ボタンを押す。

「……もしもし」

『姫花?』

低く耳に心地よく響く声は聞き慣れたもの。

「うん、なに?」

『綾さんから伝言』

「ママから? なに?」

『たまには電話ぐらいしろってよ』

「はぁ!?」

『なにすっ呆けた声出してんだよ?』

「だって……」

『なんだよ?』
< 131 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop