Secret
しかも、朝緋が北山先輩になにかしたら、それは間違いなくパパやお兄ちゃんの耳にも入るだろうから、やっと手に入った私のこの生活もヤバくなってしまう。

100歩譲って、北山先輩の身はどうなってもいいとしても

私のこの生活だけは死守しないといけない!!

そう考えた私は、朝緋の暴走を止める為に自分でも驚くくらいの速さで立ち上がると

視界にある朝緋の背中に突進した。

手加減なしで突進した私を視界に捉えた朝緋は素早い身のこなしで身体を反転し、正面で私の身体を受け止めた。

全力で突進した私は、その手前で速度を緩めるなんて高等技術が発揮できる筈もなく

全体重を掛けて朝緋にぶつかった。

「……痛ぇ……」

私の身体はもちろん衝撃まで全てを受け止めた朝緋が苦悶の声を上げる。

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