Secret
あの日をきっかけに諒との関係が変わったのは事実だ。



乾 諒の冷たい瞳に囚われたように動かなかった身体。

頬に触れた長い指はヒンヤリと冷たかった。

危険信号を知らせる様に鳴り響く鼓動。

あの日、私は確かに諒に対して警戒心を抱いていた。

だけど今ではその警戒心もなくなった。



「……ひめ……」

「……」

「……姫花……」

「……」

「姫花!!」

「……え?」

「どうした?」

「な……なにが?」

「何度も呼んでたんだけど」

「本当!? ごめん」

「なんだ、あいつに告られでもしたのか?」



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