Secret
その瞬間、

その反応を見た瞬間、朝緋の表情が一変した。

鋭く眼を光らせた朝緋は

「……あいつには関わるな」

低く威嚇するような口調で唸る。

「……それってどういう意味?」

「意味なんてねぇ。ただ、関わるなって言ってんだ」

「……は!?」

付き合いが長い分、分かってしまうことがある。

例えば、こんな朝緋には絶対に逆らわない方がいいとか……。

朝緋がこんな言動を示す時は真剣そのものの時だとか……。

とにかく、今は下手な事は言わず素直に頷くべきだとか……。

頭では分かっているんだけど

「な……なんで!?」

頭で考えている事と言動が伴わなかった。

「……あぁ?」

だから、こんな風に超低音ボイスで凄まれてしまう。

いくら幼馴染だって言っても、こんな風に凄まれたら怖いに決まってる。

手足は竦むし、もし、立っていたら腰だって抜かしてしまうかもしれない。

そのくらい、怖いんだから素直に頷いてればいいのに

「なんでそんなこというの!?」

口が言うことを聞いてくれない。


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