Secret
私の恨みを込めた眼差しを完全スルーして

一頻、笑い転げた朝緋が

漸くその笑いを飲み込んだのはゆうに5分以上経った頃だった。

「どうしても気になるんなら親父さんか蓮さんに聞いてみろよ」

「……なんの話でしょうか?」

「乾 諒の話だよ」

……あぁ、そんな話してたっけ……。

つい、そう言おうとして私は慌てて飲み込んだ。

そんなこと言ったらまた貶されてしまう。

「乾 諒の話ね。うん、うん。分かってたけどね」

「嘘、吐いてんじゃねぇ。忘れてただろーが」

「……」

……やっぱりバレてたらしい。

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