Secret
そうすれば

「……瞳で文句言ってんじゃねぇ―ぞ」

朝緋にはちゃんと伝わるから……。

「心配しなくてもお前が危険に晒されることはない」

朝緋の大きな手がゆっくりと伸びてきて私の頬に触れる。

「もし、何かあっても絶対に俺が護ってやる」

「……」

朝緋の手がこんなに大きくなったのはいつだろう。

昔は私と同じくらいだったのに……。

「だから、お前は思う存分、今の生活を満喫しとけ」

「……うん」

私に与えられた自由は期限付きのもの。

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