Secret
口元に冷笑を浮かべた諒が由良くんとの距離を詰め

「そんなに俺が邪魔だったか?」

襟元を掴もうとしたけど

「……」

諒の手が由良くんの襟元に触れることはなかった。

それは、由良くんがかわすように一歩後退し諒の手を掴んだからで……。

眼にも止まらぬ速さで動いた由良くんに、周りからは驚いた様な息遣いが聞こえた。

由良くんに手首を掴まれている諒も、由良くんのそんな行動を予想すらしていなかったようで

その瞳を見開き呆気に取られている。

唯一、冷静さを保っている由良くんはゆっくりとした動きで諒も耳元に顔を寄せると
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