Secret
どう見てもこの学校の1年生には見えないその容姿にクラスメイト達は唖然と固まっている。

その反応にソエちゃんは苦笑しつつ

「転入生の乾 諒【いぬい りょう】君だ。みんな仲良くするように」

絶対に受け入れ難いことを言い放つ。

戸惑いを隠せない生徒達を他所に

「乾、席は窓際の前から3番目に用意してるからあそこな」

ソエちゃんがそう言って初めて、昨日までなかった机が1つ増えていることに気付いた。

どうやら、私が気付かなかっただけで彼の受け入れ準備は進められていたらしい。

しかも、隣は男子の学級委員だし。

なんでそんなに中途半端な席かと思ったけど、転入生のことを考えればベストポジションかもしれない。

これからしばらくは彼のお世話係をソエちゃんから任されているであろう学級委員は若干顔を引き攣らせているけど……。

< 92 / 207 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop