Secret
「なんですか?」

「ああいう人間の扱いは慣れてるだろ」

ソエちゃんは私の家庭の事情や乃愛にすら隠し続けている事実を全て知っている。

それは担任ならば当然のことで

それを知っているのはこの学校では校長と教頭とソエちゃんだけ。

ソエちゃんは知っているにも拘らず私に普通に接してくれる。

それは今の私にとってありがたいことで感謝してもしきれない。

そんなソエちゃんからの頼みならば

「……分かりました。できる限り頑張ってみます」

私は断ったりできない。



「そうか引き受けてくれるか」

「あまり期待はしないでくださいね」

「あぁ、無理はしなくていい。乾が困ってると思ったら手を貸してやってくれれば助かる」

「分かりました」



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