紅狼Ⅰ《レッドウルフ》
「こうして見ると、女の子だな」
『……まぁ、んまぁ』
「好きだぜ?」
『!?』
「普段の服装もイイけどな」
……人からかって遊んでんなこのやろう。
いろいろストレートだからホンット心臓に悪い。
「まぁ、本当は後で呼びだそうかと思ったんだが、ちょうどいいや」
そう言いながら、サラサラと、ポケットから出したメモ張に何かを書きだす零弥。
「ほい」
書き終えた紙をベリっと一枚はがしたかと思うと、俺の手に乱暴に押し付けた。
『?何これ』
〝明日午後4時。
3F理科室前、廊下集合〟
メモに書かれていたのはそれだけ。
走り書きのくせに無駄にキレイな字でなんかムカつく。
「すっぽかしたらどうなるか、覚悟しとけよ?」
……強制イベントかよ。