紅狼Ⅰ《レッドウルフ》
「ツラ上げろや!オラッ!」
『ゲホッ……!』
胸ぐらを思いっきり掴まれて、思わずむせた。
ーークソッしくった……!
のしかかる不良の腕を押し返そうとしても、スタンガンショックの上右手じゃ全然力がが入らない……!
それを見て、なにかに気付いたらしい不良は、ニタァと笑った。
「おまえ、怪我してんのかよ。ちょうどいい――むいて、えぐってやるよ」
むしるようにコートをはぎ取られ、服を割かれる。
瞬間、血の気が引いた。
――まずいッ!!!
それはまずいッ!!!
『ッざけんなデブ!!どけ!!』
がむしゃらにバタバタ暴れる。
「ッ大人しくしろよ!!!」
――できるかッ!!
こんな状況でバレたら……やば――
刹那。
目の前の不良が、消えた。
ガッシャ――ン!!!
いや、吹っ飛ばされた。