不思議な双子と孤独な少女
鏡花さんはオレを見て足を止めている。



何かマズい事でも言ったかな…?




だが,鏡花さんは何も言わず
長い髪を揺らし,




「すいません…」




と腰を折って謝り,移動教室へ行ってしまった。




「…?」



(なんだったんだろう…?)



「おはよう,雲雀陽クン?」



ミスった…
この声…担任だ…



…結局あの後,
オレはみっちり怒られて学校の殆どを
説教で過ごした。




放課後,誰も居ないと思われる教室に
鞄を取りに行った。



「あ…雲雀クン…」



鏡花さんが居た。



だがいつもと雰囲気が違う。




「ぅっ…柊花が…ね…?」



柊花…如月柊花…妹の事か。



「会いにきてくれた…!!」



鏡花さんは泣いていた。
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