真実の元姫。

雪兄の腕の中で半回転して、雪兄と向かい合う体勢をとった。

「雪兄。大丈夫だよ。私は、ここにいるよ。」

ポタッ

私の頬に雪兄の涙が落ちた。

私の肩に顔を埋めて泣く雪兄。

「心配ばっか…させんな、バカ。」

「うん。」

「居なくなるかもって…怖かった。」

「うん。」

「生きてて良かった。」

「うん。」

「俺、家族なのに何もできなくてっ」

「そんなことないよ?雪兄はずっとずっと私の味方でいてくれた。家族の温かさを教えてくれた。ありがとう。雪兄。」

ぎゅっ

まったく、これじゃあどっちが子供かわからないよ。

「心配かけてごめんね。ただいま。」

「…おかえり!」

泣きながら笑う雪兄。

普通にしててもイケメンなのに、もっとイケメンになってるよ。

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