真実の元姫。

小さい頃、私にはお父さんもお母さんもいてすごく幸せな毎日を送っていた。

7歳の誕生日の時、お父さんは交通事故で亡くなった。

その原因は私。

誕生日だから、イチゴのショートケーキが食べたいとダダをこねて。

急いで買いに行ったお父さんは、居眠り運転のトラックに轢かれた。

お母さんはひどく荒れて。

私を恨んだ。

「あんたがいなければっ!」

「あんたが代わりに死ねばよかったのよ!」

「かえしてよ。あの人をかえして!」

そう、何度も何度も言われて。

何度も何度も、蹴られたり殴られたりした。

もちろん、その時はもう武道は禁止されていたから。

そして、それでもお母さんのことが大好きだったから手は出せなかった。

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