真実の元姫。

そして、私の10歳の誕生日を境に

お母さんは滅多に家に帰ってこなくなった。

でも私はずっと信じてたの。

いつかお母さんが帰ってくるって。

ずっとずっと待ち続けて、

それでもお母さんは帰ってこないから、

叔父さん叔母さん達が一緒に住もうと言ってきたけど

私がいないと、お母さんの帰ってくる場所がなくなってしまうと思ってて

叔父さん達にはお金を出してもらって生活をしていた。

家では一人だったけど、学校にはマミちゃんや他の友達もいたからそれほど寂しくはなかった。

けどある日、

見てしまった。

お母さんと若い男の人が腕を組んで笑顔で歩いているところを。

お父さんや私に向けていたはずの笑顔。

それを、まったく知らない人に向けてるお母さん。

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