真実の元姫。
「どこ行くんだ?」
「みんなのとこ!」
「…けっ…あいつらのところなんて行かなくてもいいじゃんか。」
子供かあんたは!
「みんなにいっぱい心配かけちゃったんだから、元気になった姿見せてあげないとでしょ?」
「そ、そうだけど。」
「じゃあ行ってくるね!」
「千秋。なんかあったらすぐ呼べよ。」
雪兄。
「うん!」
ごめんね。
本当にごめんね。
あんなに嘘はつかないと誓ったのに。
けどこれは、私一人で行かなきゃいけないんだ。
前へ進むために。
私の最初で最期の嘘。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい!」
大丈夫。
必ずここに、ただいま。って帰ってくるから。