真実の元姫。

なっ!?

「嫌だ!」

ぐいっと後ろに引かれて、抱きしめられる。

「「うちの姫に…なにしてるわけ?」」

低い声を出すみんながいた。

男の人たちは怯えて逃げて行った。

私を抱きしめたのは、要だった。

いつの間に、来たんだろうか。

さっきまで海ではしゃいでたのに、ピンチのときにはいっつも来てくれて。

こんなんじゃ、選べないよ。

「なんでっ…」

なんで、あなた達はひとつの族じゃないの?

こんなに仲が良いじゃない。

こんなにお互いを認めてるじゃない。

「千秋。俺たち決めたよ。」

「これ以上、千秋が俺たちのことで悩むことがないように。」

なにが…起きるの?

なにを…決めたの?

「王月と海龍は…王龍になる。」

王龍…?

それってつまり…

「俺たちは…ひとつになる。」

じゃあ

「選ばなくて…いいの?」

「「あぁ。」」

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