真実の元姫。

ヒョイッ

「わっ!」

いきなり体が浮いた。

んー。目隠ししてるからわからないけど
、もしかしてお姫様だっこされてるの?

「雪兄。恥ずかしいんだけど。」

「大丈夫!俺の方が恥ずかしいから!あ、マミちゃん千秋の靴持ってくれる?」

「はいはーい!」

雪兄の体温と匂い、それと海の音しか感じることができない。

早く着かないかなー。

「千秋。おろすよ。」

ストンッ

んー。砂浜みたいな感触。

「目隠しとって、目ぇ開けてみ?」

…っ!!!

「「誕生日おめでとうー!!!!!」」

シューンッ

パンッ

パラパラパラ

どんどん花火を打ち上げていくみんな。

海岸にキャンドルをいくつかならべて

シーツの上にたくさんのプレゼントも用意されてる。

そして、ケーキまで。

ぽろっ

私、今日が誕生日だったんだ。

毎年毎年、この日は嫌いだった。

お父さんとお母さんのことを考えて、なんで生まれてきたんだろうって。

ずっとずっと憂鬱だった。

けど、全てが解決して忘れてたんだ。

なのに、みんな覚えててくれたんだ。

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