観覧教室
2.開催
気が付くと、朝になっていた。
パソコンにはロックがかかっていた。
手紙も書いたまま。
サンドイッチの食べかけも、パサパサしている。
私は、1階に降り、シャワーを浴びに向かった。
シャワーを浴び終えると、リビングからトーストのいい匂いがしてきた。
「おはよう、信駆。早く食べちゃいなさい。」
「うん…」
母に促され、トーストを食べ始めた。
「信駆、最近、交通事故が多いみたいだから、気を付けなさい。」
「はぁい。大丈夫だよ。」
こんな何気ない会話ももう少しで最後なのかもしれない。
それが今日かもしれない。
私は、学校へ向かう準備をし、いつも通り靴紐を結び、出掛けようとした。
「いってらっしゃい。信駆。」
優しい母の声を聞くのもこれが最後になるかもしれない。
「うん、行ってきます。」
私は、練りに練り直した手紙をポストの奥に突っ込み、学校へ向かった。