銀座のホステスには、秘密がある
「銀座に寿司屋がどれだけあると思ってんのよ」
一人、見えない結菜に文句を言った。
どこから回るか、やみくもに回ってる内に結菜はもう帰ってしまうかもしれない。
どうしたらいいんだろう。
悩んで取り出したスマホに樹里の名前を呼び出す。
『サラ?』
「樹里。みんなまだそこにいる?」
『うん。いるよ。どうした?』
「ねぇ、グリッターの結菜が行ってる寿司屋って分かる?」
『えぇ?』
スマホの向こうでゴソゴソ話す声が聞える。
たぶん樹里が聞いてくれてんだと思う。
ゴソゴソが大きくなったと思った時、
『あんたね。銀座にどんだけあると思ってんの!』
龍太郎ママが出てきた。
「急ぐの。お願い」
『分かったわよ。一旦切ってかけ直すから、そのまま待ってなさい』
アタシの返事も待たずに龍太郎ママは通話を切った。
銀座の街の喧騒の中で、静まり返ってるアタシのスマホ。
その時間が長く長く感じられた。
それは突然光りだし、
「はい!」
フライング気味に電話に出る。
『分かったわよ』
「どこ?」
『裏の道をもう一回左に曲がったところにあるお店だって』
「分かんないよ。それじゃ。名前は?」
『名前?名前教えてだって』
スマホの向こうの会話も聞こえる。
『松寿司だって』
「分かった。ありがとう」
『本当に分かったの?ちょっとサラ?そこに上杉ちゃん……』
龍太郎ママの声は聞こえていたけど、途中でスマホを切った。
それどころじゃない。
急いで松寿司を目指す。
松寿司は知ってるなんてもんじゃない。
毎回くーさんに連れて行ってもらう、大好きなお寿司屋さん。
結菜のアフターの相手が殿であればいい。
殿がいてくれれば、それでいい。
アタシはヒールを鳴らして松寿司へ走った。
一人、見えない結菜に文句を言った。
どこから回るか、やみくもに回ってる内に結菜はもう帰ってしまうかもしれない。
どうしたらいいんだろう。
悩んで取り出したスマホに樹里の名前を呼び出す。
『サラ?』
「樹里。みんなまだそこにいる?」
『うん。いるよ。どうした?』
「ねぇ、グリッターの結菜が行ってる寿司屋って分かる?」
『えぇ?』
スマホの向こうでゴソゴソ話す声が聞える。
たぶん樹里が聞いてくれてんだと思う。
ゴソゴソが大きくなったと思った時、
『あんたね。銀座にどんだけあると思ってんの!』
龍太郎ママが出てきた。
「急ぐの。お願い」
『分かったわよ。一旦切ってかけ直すから、そのまま待ってなさい』
アタシの返事も待たずに龍太郎ママは通話を切った。
銀座の街の喧騒の中で、静まり返ってるアタシのスマホ。
その時間が長く長く感じられた。
それは突然光りだし、
「はい!」
フライング気味に電話に出る。
『分かったわよ』
「どこ?」
『裏の道をもう一回左に曲がったところにあるお店だって』
「分かんないよ。それじゃ。名前は?」
『名前?名前教えてだって』
スマホの向こうの会話も聞こえる。
『松寿司だって』
「分かった。ありがとう」
『本当に分かったの?ちょっとサラ?そこに上杉ちゃん……』
龍太郎ママの声は聞こえていたけど、途中でスマホを切った。
それどころじゃない。
急いで松寿司を目指す。
松寿司は知ってるなんてもんじゃない。
毎回くーさんに連れて行ってもらう、大好きなお寿司屋さん。
結菜のアフターの相手が殿であればいい。
殿がいてくれれば、それでいい。
アタシはヒールを鳴らして松寿司へ走った。