銀座のホステスには、秘密がある
「ここにいると目立ちますから」
彩乃がそう言ってアタシと殿をエレベーターに乗せた。
「ここで待っててください」
お店のドアの前でアタシと殿を置いて彩乃が一人で入っていく。
「サラ……ますます綺麗になったな」
寂しげに笑う殿の袖を掴んでいた。
この手を離したら、また殿に会えなくなるんじゃないかと思って、ひたすら殿の袖を離さなかった。
殿は寂しげに笑う。
「アキラ……」
誰もいないエレベーターホールで殿がアタシの本名を呼ぶから、
「っ…うぅ……あい……会いたかっ……」
我慢してる涙が止まらなくなる。
「おまえが泣いてくれたらそれで十分だ。アキラ。俺を信じてくれるか?」
「ん……」
言葉が出ない代わりに首をブンブンと縦に振った。
全く品がない、銀座らしくない受け答えだけど、それしか出来ない。
「最後におまえに会えて良かった。おまえには迷惑かけられないから、そろそろ帰るよ」
殿がアタシの手を離そうとする。
「殿……」
ダメ。
この手を離したら、もう二度と会えなくなる。
そんな気がして仕方がない。
「サラ。ありがとう。でも……」
その時、お店のドアが開き、あかねママとゴンちゃんを連れて彩乃が出てきた。
彩乃がそう言ってアタシと殿をエレベーターに乗せた。
「ここで待っててください」
お店のドアの前でアタシと殿を置いて彩乃が一人で入っていく。
「サラ……ますます綺麗になったな」
寂しげに笑う殿の袖を掴んでいた。
この手を離したら、また殿に会えなくなるんじゃないかと思って、ひたすら殿の袖を離さなかった。
殿は寂しげに笑う。
「アキラ……」
誰もいないエレベーターホールで殿がアタシの本名を呼ぶから、
「っ…うぅ……あい……会いたかっ……」
我慢してる涙が止まらなくなる。
「おまえが泣いてくれたらそれで十分だ。アキラ。俺を信じてくれるか?」
「ん……」
言葉が出ない代わりに首をブンブンと縦に振った。
全く品がない、銀座らしくない受け答えだけど、それしか出来ない。
「最後におまえに会えて良かった。おまえには迷惑かけられないから、そろそろ帰るよ」
殿がアタシの手を離そうとする。
「殿……」
ダメ。
この手を離したら、もう二度と会えなくなる。
そんな気がして仕方がない。
「サラ。ありがとう。でも……」
その時、お店のドアが開き、あかねママとゴンちゃんを連れて彩乃が出てきた。