銀座のホステスには、秘密がある
カランとグラスの中で氷が揺れる。
殿はアタシの髪に手を伸ばし、毛先を指に巻き付けて弄んでいる。
「いつ……」
「いつ頃気付いたかって?初めておまえの部屋に行った時だよ。彩乃と鍋をしたあの時」
そんな早い時期から?
「なんで……」
「なんで分かったかって?俺をソファーまで持ち上げて寝かしてくれてたやろ?普通の女は俺を持ち上げるなんて絶対無理やからな」
そんなことまで気が付かなかった。
無意識って怖い。
「でも、それならどうして、付き合ってくれてたの?その後だって何度もうちに来てくれたし、二人でずっと過ごしてたじゃない」
「は?」
殿がキョトンとアタシを見る。
「だって気が付いてたんでしょ?」
「あぁ。打ち明けてくれるまで待つつもりでいたよ」
「なんで?なにを待つの?」
「待て待て、サラ。落ち着け」
「だって、打ち明けたら……本当のことを知ったら、殿は…いなくなっちゃうでしょ」
涙を堪えるために下唇を噛んでたのに、
「アキラ……」
殿がアタシの腕を引いて、その胸にアタシを閉じ込める。
「そんなこと気にしてたのか?俺は知ってたよ。最初は驚いたけど、そんなの関係ない。俺が惚れたのは、そんなとこじゃない。サラっていう特別な女に惚れたんだ」
「殿……」
しっかりと殿にしがみついた。
これまで我慢してたモノが一気に溢れだす。
いいの?アタシでいいの?
「本当は待てなくてさ。言わそうとしてたんだよ」
「え?」
「ほら、頼みを一つ叶えたら俺のお願いも一つ聞いてくれよ。ってやつ」
「うん」
「あれで、本当のことを言ってくれって、お願いしようと思ってた」
クシャリと殿が笑った。
アタシの大好きな殿の笑顔。
もう隠さなくてもいいの?
偽ったアタシじゃなく、そのままのアタシで好きになってもいいの?
殿が優しく肩を抱く。
「殿。大好き」
殿を押し倒す勢いで飛びついたから、二人でソファーに倒れ込んでしまった。
殿はアタシの髪に手を伸ばし、毛先を指に巻き付けて弄んでいる。
「いつ……」
「いつ頃気付いたかって?初めておまえの部屋に行った時だよ。彩乃と鍋をしたあの時」
そんな早い時期から?
「なんで……」
「なんで分かったかって?俺をソファーまで持ち上げて寝かしてくれてたやろ?普通の女は俺を持ち上げるなんて絶対無理やからな」
そんなことまで気が付かなかった。
無意識って怖い。
「でも、それならどうして、付き合ってくれてたの?その後だって何度もうちに来てくれたし、二人でずっと過ごしてたじゃない」
「は?」
殿がキョトンとアタシを見る。
「だって気が付いてたんでしょ?」
「あぁ。打ち明けてくれるまで待つつもりでいたよ」
「なんで?なにを待つの?」
「待て待て、サラ。落ち着け」
「だって、打ち明けたら……本当のことを知ったら、殿は…いなくなっちゃうでしょ」
涙を堪えるために下唇を噛んでたのに、
「アキラ……」
殿がアタシの腕を引いて、その胸にアタシを閉じ込める。
「そんなこと気にしてたのか?俺は知ってたよ。最初は驚いたけど、そんなの関係ない。俺が惚れたのは、そんなとこじゃない。サラっていう特別な女に惚れたんだ」
「殿……」
しっかりと殿にしがみついた。
これまで我慢してたモノが一気に溢れだす。
いいの?アタシでいいの?
「本当は待てなくてさ。言わそうとしてたんだよ」
「え?」
「ほら、頼みを一つ叶えたら俺のお願いも一つ聞いてくれよ。ってやつ」
「うん」
「あれで、本当のことを言ってくれって、お願いしようと思ってた」
クシャリと殿が笑った。
アタシの大好きな殿の笑顔。
もう隠さなくてもいいの?
偽ったアタシじゃなく、そのままのアタシで好きになってもいいの?
殿が優しく肩を抱く。
「殿。大好き」
殿を押し倒す勢いで飛びついたから、二人でソファーに倒れ込んでしまった。