銀座のホステスには、秘密がある
その途端、
「来たぞ」
「これか?」
「いや。違う」
「違うそうだー」
一斉に騒ぎ立てた報道陣が目の前にいる。
こんな光景テレビで見たことある。
まさか自分がその前に立ってるなんて……
「迷惑だと言ってるじゃないですか。他にお客様はいらっしゃいません。お引き取りください」
あかねママが報道陣の前に立って一人で相手してる隙に、渡辺様たちをそっとお見送りした。
「ママ」
もう大丈夫よ。という意味を込めて声をかけ、そのままエレベーターへと戻ろうとしたアタシの耳に、
「上杉さんに話しを聞きたいだけなんですよねー」
「さっき上杉さんあんたの店に入っただろ?」
「店には迷惑かけないから、上杉さん出してよ」
矢継ぎ早にママに詰め寄る声が聞えた。
「いないもんは、いないのよ!」
怖いくらいのママの声にも怯まない報道陣を置いて、ママはアタシたちのところへ戻ってくる。
エレベーターへ乗り込んだアタシたちは一斉にため息をついた。
「ビックリした」
「あんなにいるとは思わなかったわね」
「報道陣だけじゃなかったわよ。後ろに野次馬もいっぱいいたでしょ」
「はぁ。大変なことになっちゃったぁ」
あかねママがもう一度ため息をつく。
「ママ。ごめんなさい」
「サラが謝ることないわよ」
「でも、上杉様をお店に入れたのは……」
「サラ。お店にいらしたお客様はお店のみんなでおもてなしする。それがうちのやり方でしょ?」
「ママ……」
「忘れないで。上杉様はあたしたちのお客様なのよ」
音も立てずにエレベーターの扉が開くと、真っ先に降りたママが、
「さぁ、作戦会議よ」
振り向きもせずにお店に戻って行く。
「上杉様をどうやって逃がすか。今はそれだけを考えなさい」
ローラママも呆然としてたアタシの横を通ってお店に戻って行く。
そんな二人の背中を見て、感謝の気持ちでいっぱいだった。
「来たぞ」
「これか?」
「いや。違う」
「違うそうだー」
一斉に騒ぎ立てた報道陣が目の前にいる。
こんな光景テレビで見たことある。
まさか自分がその前に立ってるなんて……
「迷惑だと言ってるじゃないですか。他にお客様はいらっしゃいません。お引き取りください」
あかねママが報道陣の前に立って一人で相手してる隙に、渡辺様たちをそっとお見送りした。
「ママ」
もう大丈夫よ。という意味を込めて声をかけ、そのままエレベーターへと戻ろうとしたアタシの耳に、
「上杉さんに話しを聞きたいだけなんですよねー」
「さっき上杉さんあんたの店に入っただろ?」
「店には迷惑かけないから、上杉さん出してよ」
矢継ぎ早にママに詰め寄る声が聞えた。
「いないもんは、いないのよ!」
怖いくらいのママの声にも怯まない報道陣を置いて、ママはアタシたちのところへ戻ってくる。
エレベーターへ乗り込んだアタシたちは一斉にため息をついた。
「ビックリした」
「あんなにいるとは思わなかったわね」
「報道陣だけじゃなかったわよ。後ろに野次馬もいっぱいいたでしょ」
「はぁ。大変なことになっちゃったぁ」
あかねママがもう一度ため息をつく。
「ママ。ごめんなさい」
「サラが謝ることないわよ」
「でも、上杉様をお店に入れたのは……」
「サラ。お店にいらしたお客様はお店のみんなでおもてなしする。それがうちのやり方でしょ?」
「ママ……」
「忘れないで。上杉様はあたしたちのお客様なのよ」
音も立てずにエレベーターの扉が開くと、真っ先に降りたママが、
「さぁ、作戦会議よ」
振り向きもせずにお店に戻って行く。
「上杉様をどうやって逃がすか。今はそれだけを考えなさい」
ローラママも呆然としてたアタシの横を通ってお店に戻って行く。
そんな二人の背中を見て、感謝の気持ちでいっぱいだった。