銀座のホステスには、秘密がある
一通り髪を切ると、コールドクリームを顔に塗り、1時間かけて作り上げたメイクも落としていく。
最後に拭き取ると、誰にも見せたことがない素顔が現れる。
細川 晶。
18歳まで男として生き、その後の10年女として生きてきた。
好きな物に囲まれ、好きなことを仕事にして、楽しかった。
もう後悔はない。
振り返るとジッとアタシを見てる殿がいる。
「綺麗だ」
たった一言、殿が言う。
嬉しくて、照れくさい。
アタシは殿の背中を押すように、みんなの元へ戻った。
「えっ」
「サ、ラ…さん?」
みんなが一様に目を見開きアタシを見る。
「今まで隠しててごめん」
信じられないって顔でアタシを見てる。
「は?男?」
誰も言葉が出ない中で戸塚君だけが本心を隠さずに言った。
「ありえねー。男同士とかマジでありえねー」
その言葉が聞こえたのか、殿がアタシの手を握ってくる。
でもね、殿。
これが普通の反応なんだよ。
悲しくなるくらいの現実。
だけど、こうなることが分かってても、アタシは殿を助けたかった。
「いいの?サラ」
「うん。お願いママ」
あかねママはアタシに優しく肯くと、
「じゃ。作戦を話すわね」
台本、と書かれた紙を前に広げた。
最後に拭き取ると、誰にも見せたことがない素顔が現れる。
細川 晶。
18歳まで男として生き、その後の10年女として生きてきた。
好きな物に囲まれ、好きなことを仕事にして、楽しかった。
もう後悔はない。
振り返るとジッとアタシを見てる殿がいる。
「綺麗だ」
たった一言、殿が言う。
嬉しくて、照れくさい。
アタシは殿の背中を押すように、みんなの元へ戻った。
「えっ」
「サ、ラ…さん?」
みんなが一様に目を見開きアタシを見る。
「今まで隠しててごめん」
信じられないって顔でアタシを見てる。
「は?男?」
誰も言葉が出ない中で戸塚君だけが本心を隠さずに言った。
「ありえねー。男同士とかマジでありえねー」
その言葉が聞こえたのか、殿がアタシの手を握ってくる。
でもね、殿。
これが普通の反応なんだよ。
悲しくなるくらいの現実。
だけど、こうなることが分かってても、アタシは殿を助けたかった。
「いいの?サラ」
「うん。お願いママ」
あかねママはアタシに優しく肯くと、
「じゃ。作戦を話すわね」
台本、と書かれた紙を前に広げた。