銀座のホステスには、秘密がある
「まずは、上杉様にはマスクをしてもらって、裏口から出ようとしたところを報道陣に見つかって戻ってくるという第一幕を演じてもらいます。その時に誰か一人女の子を連れて行ってくださいね。お気に入りの女と逃げるっていう雰囲気で。その女の子が第二幕で上杉様になりすましたサラと表から堂々と出て行くという段取りなんだけど……」
ママが女の子たちを見渡して、
「誰かこの重要な役をやってくれない?」
そう声をかける。
そんな危険な役、誰もやりたがらないんじゃないか……そう思ったとき、一斉に女の子たちが手を挙げた。
「いいの?表からサラと出たら、一斉に敵が襲ってくるのよ」
ママの説明にも、
「はい。サラさんと行けるなら」
誰かがそう答えると、みんな一斉に首を縦に振る。
「本当にいいの?」
アタシが聞くと、
「きゃーっ」
「サラさんっ」
「素敵すぎます」
頬を押さえる女の子たち。
え?
この反応……
「イケメン過ぎんのよ」
樹里までがアタシから視線を逸らして言う。
まさかそんな反応されるとは思わなかった。
「アイドル俳優みたいじゃない」
アタシが言うと、「やだー」ってみんなが笑う。
そんな面白いこと言ってないと思うけど……
「誰がやる?ジャンケンで決める?」
もう一度ママが聞くと、
「私がやります」
一際大きい声が聞えた。
「彩乃……」
「私にやらせてください」
彩乃が真剣な目でアタシを見てる。
そんな彩乃を見たあかねママが肯いた。
「そうね。さっき上杉様をお店に連れてきたとこを見られてるかもしれないわね。大変な役だけど、やってくれる?」
「はい」
小さいけれど闘志のこもった返事に、アタシの胸が熱くなる。
「そして第3幕は、その騒ぎの隙に上杉様がサラに変装して裏口から出て行くということで……こっちも何人か行ってくれない?」
あかねママの説明に、次に手を挙げたのは樹里だった。
「あたししかいないでしょ。サラの親友なんだもん」
「樹里……」
「サラの大事な上杉様はあたしがちゃんと守るから」
樹里の、彩乃の、みんなの優しさが嬉し過ぎる。
「もう、サラぁ。泣くのは早いよ」
そんなことを言う樹里の目にも涙が溜まっていた。
ママが女の子たちを見渡して、
「誰かこの重要な役をやってくれない?」
そう声をかける。
そんな危険な役、誰もやりたがらないんじゃないか……そう思ったとき、一斉に女の子たちが手を挙げた。
「いいの?表からサラと出たら、一斉に敵が襲ってくるのよ」
ママの説明にも、
「はい。サラさんと行けるなら」
誰かがそう答えると、みんな一斉に首を縦に振る。
「本当にいいの?」
アタシが聞くと、
「きゃーっ」
「サラさんっ」
「素敵すぎます」
頬を押さえる女の子たち。
え?
この反応……
「イケメン過ぎんのよ」
樹里までがアタシから視線を逸らして言う。
まさかそんな反応されるとは思わなかった。
「アイドル俳優みたいじゃない」
アタシが言うと、「やだー」ってみんなが笑う。
そんな面白いこと言ってないと思うけど……
「誰がやる?ジャンケンで決める?」
もう一度ママが聞くと、
「私がやります」
一際大きい声が聞えた。
「彩乃……」
「私にやらせてください」
彩乃が真剣な目でアタシを見てる。
そんな彩乃を見たあかねママが肯いた。
「そうね。さっき上杉様をお店に連れてきたとこを見られてるかもしれないわね。大変な役だけど、やってくれる?」
「はい」
小さいけれど闘志のこもった返事に、アタシの胸が熱くなる。
「そして第3幕は、その騒ぎの隙に上杉様がサラに変装して裏口から出て行くということで……こっちも何人か行ってくれない?」
あかねママの説明に、次に手を挙げたのは樹里だった。
「あたししかいないでしょ。サラの親友なんだもん」
「樹里……」
「サラの大事な上杉様はあたしがちゃんと守るから」
樹里の、彩乃の、みんなの優しさが嬉し過ぎる。
「もう、サラぁ。泣くのは早いよ」
そんなことを言う樹里の目にも涙が溜まっていた。