銀座のホステスには、秘密がある
ローラママと樹里たちが上杉様にメイクをしていく。
始めのうちは抵抗してた殿だったけど、すぐに諦めてローラママに顔を差し出してる。
アタシは殿が今まで着てた服をもらい、袖を通す。
ちょっと大きい殿の服は、殿の匂いがする。
それだけで殿に守られてるような気になる。
着替え終わりカーテンを開けると、殿の顔も最終仕上げになっていて、
どうせマスクするんだからって思うのに、きっちり口紅まで塗られているからおかしかった。
「さぁ。準備はできたわね?みんないい?ラストシーンは何が起きるか分からないから、覚悟してちょうだいよ。銀座の女の強さを見せつけてやりましょう」
まるで戦いに行くみたいに興奮しているあかねママ。
それに返事してるみんなも、どこか楽しそう。
所詮、アタシたちは銀座の女。
綺麗ごとじゃない世の中で、たくさんイヤな物を見てきた。
だけど、全てを受け入れ、その上で微笑み、綺麗な女を演じてきたのはアタシたちの最大の武器。
そして戦いが始まる。
「サラさん。先発隊、行ってきます」
アタシに向かって軽く敬礼をするハナちゃんは、もうすでに何かの役に入り切ってる。
「ハナちゃん。ありがとう」
ハナちゃんたち若手は階段で一階まで降りていって、合図と同時に報道陣の前に出て、続くアタシたちの行く手を作る手はず。
「サラ。上杉様は絶対に守るから」
「樹里。よろしくお願いします」
樹里と、愛ちゃんみたいにテレビに顔を出せない娘たちは、裏口から普通に帰る女の子たちみたいにして上杉様と出て行く予定。
裏口から数メートル先の路上には、黒服の男の子がタクシーを止めて、スタンバイしている。
「思いっきりやってきなさい」
ローラママをお店に残して、他の娘は全員何かの係りを受け持っている。
「サラ……気をつけて」
「殿も……」
最後に殿の顔を見て、
「行きましょう」
アタシはお店のドアを出た。
始めのうちは抵抗してた殿だったけど、すぐに諦めてローラママに顔を差し出してる。
アタシは殿が今まで着てた服をもらい、袖を通す。
ちょっと大きい殿の服は、殿の匂いがする。
それだけで殿に守られてるような気になる。
着替え終わりカーテンを開けると、殿の顔も最終仕上げになっていて、
どうせマスクするんだからって思うのに、きっちり口紅まで塗られているからおかしかった。
「さぁ。準備はできたわね?みんないい?ラストシーンは何が起きるか分からないから、覚悟してちょうだいよ。銀座の女の強さを見せつけてやりましょう」
まるで戦いに行くみたいに興奮しているあかねママ。
それに返事してるみんなも、どこか楽しそう。
所詮、アタシたちは銀座の女。
綺麗ごとじゃない世の中で、たくさんイヤな物を見てきた。
だけど、全てを受け入れ、その上で微笑み、綺麗な女を演じてきたのはアタシたちの最大の武器。
そして戦いが始まる。
「サラさん。先発隊、行ってきます」
アタシに向かって軽く敬礼をするハナちゃんは、もうすでに何かの役に入り切ってる。
「ハナちゃん。ありがとう」
ハナちゃんたち若手は階段で一階まで降りていって、合図と同時に報道陣の前に出て、続くアタシたちの行く手を作る手はず。
「サラ。上杉様は絶対に守るから」
「樹里。よろしくお願いします」
樹里と、愛ちゃんみたいにテレビに顔を出せない娘たちは、裏口から普通に帰る女の子たちみたいにして上杉様と出て行く予定。
裏口から数メートル先の路上には、黒服の男の子がタクシーを止めて、スタンバイしている。
「思いっきりやってきなさい」
ローラママをお店に残して、他の娘は全員何かの係りを受け持っている。
「サラ……気をつけて」
「殿も……」
最後に殿の顔を見て、
「行きましょう」
アタシはお店のドアを出た。