銀座のホステスには、秘密がある
エレベーターを待つアタシの横に彩乃がピッタリと寄り添う。
「彩乃もごめんね。迷惑かけちゃったね」
「いえ。全然迷惑だななんて思ってないです。むしろサラさんのお役に立てて、嬉しいです」
「ありがとう。彩乃」
「サラさん……」
「何?」
「……その姿を見てしまったら、諦めようとしてたはずなのに、やっぱり諦めなくていいんじゃないかって……すみません。忘れてください」
「彩乃……」
彩乃が自分の手をギュッと握りしめて俯いている。
儚げで、可愛らしくて、殿に対する気持ちとは違うけど、アタシが彩乃を大切に思っていることは事実。
「彩乃。もしアタシがずっと男だったら、たぶん、きっと彩乃に惚れてた」
「サラさん……」
彩乃が口元を隠して、泣いている。
「ごめんね。彩乃」
「その言葉だけで充分です。上杉様と幸せになってください」
エレベーターの扉が開くと、アタシは彩乃の手を引いて乗り込んだ。
アタシたち以外にもあかねママとあと三人が後ろから続く。
「ハナちゃん?今から下りるから」
あかねママが携帯の通話を切ると、エレベーターは静かに下降し始めた。
「彩乃もごめんね。迷惑かけちゃったね」
「いえ。全然迷惑だななんて思ってないです。むしろサラさんのお役に立てて、嬉しいです」
「ありがとう。彩乃」
「サラさん……」
「何?」
「……その姿を見てしまったら、諦めようとしてたはずなのに、やっぱり諦めなくていいんじゃないかって……すみません。忘れてください」
「彩乃……」
彩乃が自分の手をギュッと握りしめて俯いている。
儚げで、可愛らしくて、殿に対する気持ちとは違うけど、アタシが彩乃を大切に思っていることは事実。
「彩乃。もしアタシがずっと男だったら、たぶん、きっと彩乃に惚れてた」
「サラさん……」
彩乃が口元を隠して、泣いている。
「ごめんね。彩乃」
「その言葉だけで充分です。上杉様と幸せになってください」
エレベーターの扉が開くと、アタシは彩乃の手を引いて乗り込んだ。
アタシたち以外にもあかねママとあと三人が後ろから続く。
「ハナちゃん?今から下りるから」
あかねママが携帯の通話を切ると、エレベーターは静かに下降し始めた。