銀座のホステスには、秘密がある
「サラ。あたしたちは帰るから、今日はゆっくり休んで」
「そうですよサラさん。上杉様とゆっくり過ごしてください」
樹里と彩乃が玄関に向かう。
二人にゴンちゃんもついていくけど、ゴンちゃんが不意に振り返った。
「何があったか聞かないけど、元気出せよ」
「うん……」
ゴンちゃんは何も言わないけど、前からアタシが男だって気付いてたって感じがする。
アタシが殿の格好をしてみんなの前に出た時、驚くこともなく悲しそうな顔をしてた。
「戸塚が、サラに謝りたいって言ってた」
「戸塚君が?なんで?」
「おまえにひどいこと言ったとかで、気にしてた」
たぶん、「男同士とかありえねー」って呟いたことだろうと思う。
「いいよ。素直な反応だもん」
「サラはサラだよ。男だろうと女だろうと関係ない。戸塚はサラに惚れてたんだよ。高嶺の花だと言ってたんだ。許してやってくれ」
「うん」
返事をしたけど、聞こえたか聞こえなかったかのギリギリちいさい声。
カチャリと音がして三人が出て行き、殿と二人きりになったけど、何も話す気になれなかった。
頭に浮かぶのはアタシを指さして笑う女たち。
「そうですよサラさん。上杉様とゆっくり過ごしてください」
樹里と彩乃が玄関に向かう。
二人にゴンちゃんもついていくけど、ゴンちゃんが不意に振り返った。
「何があったか聞かないけど、元気出せよ」
「うん……」
ゴンちゃんは何も言わないけど、前からアタシが男だって気付いてたって感じがする。
アタシが殿の格好をしてみんなの前に出た時、驚くこともなく悲しそうな顔をしてた。
「戸塚が、サラに謝りたいって言ってた」
「戸塚君が?なんで?」
「おまえにひどいこと言ったとかで、気にしてた」
たぶん、「男同士とかありえねー」って呟いたことだろうと思う。
「いいよ。素直な反応だもん」
「サラはサラだよ。男だろうと女だろうと関係ない。戸塚はサラに惚れてたんだよ。高嶺の花だと言ってたんだ。許してやってくれ」
「うん」
返事をしたけど、聞こえたか聞こえなかったかのギリギリちいさい声。
カチャリと音がして三人が出て行き、殿と二人きりになったけど、何も話す気になれなかった。
頭に浮かぶのはアタシを指さして笑う女たち。