銀座のホステスには、秘密がある
「その娘がサラが指導する娘か?」
何も教えないまま、加藤様のお席に連れてきたけど、不安でしょうがない。
「はい。ハナです。よろしくお願いします」
普通の自己紹介。
銀座流じゃない。
名刺も持ってない。
どうしよう。
ゴンちゃん。ヘルプつけて!
愛ちゃんはどこ行ったの?
「そうか。ハナか。サラの真似をしてればいいんだ。そうすれば一流になれる」
「はい。ありがとうございます」
なんとか加藤様との会話は成立してるみたい。
自分のデビューの日より緊張する。
「加藤様はサラさんが好きなんですね」
「ハナちゃん!」
「あ、すみません」
「あっはは。いいんだよ。そうだよハナ。俺はこの美女に惚れてるんだ」
加藤様のサングラスの下の瞳が楽しそうに細められている。
「傾国の美女って聞いたことあるか?楊貴妃が有名だが、心を奪われて国が傾くほどの美女のことを指すんだ。現代で言うと、サラのことだな」
「ふふ…。加藤様が総理大臣じゃなくて良かった」
「日本が傾いちゃうってことですか?」
遅れて気付いたハナちゃんが付け足した。
それに気を良くした加藤様は、しばらくハナちゃんへ『接客業とは』みたいなことを語りだした。
それを真剣に聞いてるハナちゃん。
加藤様は酔ってるんだからテキトーなことしか言ってないのに……
でも、なんとか教育係をやっていけそう。
二人を見てたらちょっとだけ、そんな気もしてきた。
何も教えないまま、加藤様のお席に連れてきたけど、不安でしょうがない。
「はい。ハナです。よろしくお願いします」
普通の自己紹介。
銀座流じゃない。
名刺も持ってない。
どうしよう。
ゴンちゃん。ヘルプつけて!
愛ちゃんはどこ行ったの?
「そうか。ハナか。サラの真似をしてればいいんだ。そうすれば一流になれる」
「はい。ありがとうございます」
なんとか加藤様との会話は成立してるみたい。
自分のデビューの日より緊張する。
「加藤様はサラさんが好きなんですね」
「ハナちゃん!」
「あ、すみません」
「あっはは。いいんだよ。そうだよハナ。俺はこの美女に惚れてるんだ」
加藤様のサングラスの下の瞳が楽しそうに細められている。
「傾国の美女って聞いたことあるか?楊貴妃が有名だが、心を奪われて国が傾くほどの美女のことを指すんだ。現代で言うと、サラのことだな」
「ふふ…。加藤様が総理大臣じゃなくて良かった」
「日本が傾いちゃうってことですか?」
遅れて気付いたハナちゃんが付け足した。
それに気を良くした加藤様は、しばらくハナちゃんへ『接客業とは』みたいなことを語りだした。
それを真剣に聞いてるハナちゃん。
加藤様は酔ってるんだからテキトーなことしか言ってないのに……
でも、なんとか教育係をやっていけそう。
二人を見てたらちょっとだけ、そんな気もしてきた。