銀座のホステスには、秘密がある
先頭を歩くのはしっかり者の樹里。彼女が全体のペースを作っている。
まだ入店して1年の愛ちゃんはその次。
それから数名が後に続いて、最後にアタシ。
みんなより背が高い分、周りの反応が良く見える。
その数歩後ろにゴンちゃんと戸塚君がボディガードとしてついてる。
最初は『花魁道中』なんて言われるのに抵抗があったけど、
今ではそれを楽しみにしている人がいらしくて、
期待には応えないと、って訳でどんどん派手になっていく。
途中、常連さんに会ったら立ち止まって全員でご挨拶をする。
今日も樹里のお得意様が声を掛けてくれた。
ふと視線を感じて横を見ると、いつかケンジさんのお店でアタシを睨んでた娘がいた。
名前は……忘れちゃった。
「……」
「……」
まただ。
今日はものすごく睨まれてる。
花魁道中はそれでなくても目立つから、嫉妬なんだろうな。
「サラ?」
「ん?」
「どうした?」
「あの娘。すごくこっちを見てるの」
「あー。あの娘は、グリッターの結菜だな」
「え?ゴンちゃん知ってるの?」
「アイドル顔だからな」
情報通のゴンちゃんにいつも驚く。
「気をつけろよ。あの眼は怖いぞ」
「そんな……花魁道中が羨ましいんでしょ?グリッターでもやればいいのにね」
「これは他ではできないよ。うちの店の女の子たちが仲が良いからできるんだ」
ゴンちゃんが小さな声で言って、そっと離れていった。
さりげなく横を向くと、もう女の姿はそこにはなかった。
お店の雰囲気、お給料の違い、お客様の質の違い。
銀座のお店っていうのは、いろいろ挙げるとキリがないくらいお店ごとに違うんだと思う。
簡単には比べられない。
けど、やっぱり、そこで働いてる人たちって重要じゃないかと感じる。
アタシは、モンテカルロじゃなかったら、そもそも銀座で働こうなんて思わなかったと思う。
まだ入店して1年の愛ちゃんはその次。
それから数名が後に続いて、最後にアタシ。
みんなより背が高い分、周りの反応が良く見える。
その数歩後ろにゴンちゃんと戸塚君がボディガードとしてついてる。
最初は『花魁道中』なんて言われるのに抵抗があったけど、
今ではそれを楽しみにしている人がいらしくて、
期待には応えないと、って訳でどんどん派手になっていく。
途中、常連さんに会ったら立ち止まって全員でご挨拶をする。
今日も樹里のお得意様が声を掛けてくれた。
ふと視線を感じて横を見ると、いつかケンジさんのお店でアタシを睨んでた娘がいた。
名前は……忘れちゃった。
「……」
「……」
まただ。
今日はものすごく睨まれてる。
花魁道中はそれでなくても目立つから、嫉妬なんだろうな。
「サラ?」
「ん?」
「どうした?」
「あの娘。すごくこっちを見てるの」
「あー。あの娘は、グリッターの結菜だな」
「え?ゴンちゃん知ってるの?」
「アイドル顔だからな」
情報通のゴンちゃんにいつも驚く。
「気をつけろよ。あの眼は怖いぞ」
「そんな……花魁道中が羨ましいんでしょ?グリッターでもやればいいのにね」
「これは他ではできないよ。うちの店の女の子たちが仲が良いからできるんだ」
ゴンちゃんが小さな声で言って、そっと離れていった。
さりげなく横を向くと、もう女の姿はそこにはなかった。
お店の雰囲気、お給料の違い、お客様の質の違い。
銀座のお店っていうのは、いろいろ挙げるとキリがないくらいお店ごとに違うんだと思う。
簡単には比べられない。
けど、やっぱり、そこで働いてる人たちって重要じゃないかと感じる。
アタシは、モンテカルロじゃなかったら、そもそも銀座で働こうなんて思わなかったと思う。