銀座のホステスには、秘密がある
翌日、いつものルーティンを早めに終えて近くの本屋さんへ寄った。

「歴史書、れき……あ、あった」

思った以上に並んでる歴史書にひるんでしまった。

「どれ買ったらいいのか分かんない」

うーん、と睨み合った結果、背表紙が可愛いものから開いていった。
でも、どれもピンとくるものがない。

「はぁ。もっと勉強しとくんだった」

諦めかけて隣の棚を見ると、
「マンガで読む日本史?」

パラパラめくると
「これなら読めそう」

戦国時代のものを会計に持っていった。

「お願いします」
「お姉さん。独り言がここまで聞こえてましたよ」
「え?」

クスリと人の良さそうなおじさん店員が笑った。

一人暮らしが長いと、独り言が多くなる。
まさか、外に出てまで言ってたとは、気をつけないと……
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