銀座のホステスには、秘密がある
本当は身を焦がすような激しい恋愛がしてみたい。
恋愛で悩んで食事も喉を通らない的な。

誰かを想い、想われ、一緒に映画を見たり、旅行したり
その人の帰りを待ちながらお料理したり
そんなことに憧れる。

だけど、アタシはそれを望んじゃいけない。
だって、女じゃないから。
また、大事な人が離れていくから。

だったらずっと友達のままでいい。
友達として尽くせれば、幸せだと思う。
それ以上は望まない。

愛ちゃんは「サラさんが羨ましい」って言うけど、
アタシの方が「愛ちゃんが羨ましい」
本当に羨ましい。

できることなら……



普通の女の子に生まれたかった。
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