銀座のホステスには、秘密がある
「サラさん。一緒にアフター行ってもらえませんか?」
1時を過ぎて、最後のお客様を見送っていたら、彩乃さんが呼びに来た。
「どなたの?」
「村岡さんと上杉さんです。飲み直したいとおっしゃって」
「でも……アタシが行ったらお邪魔じゃないかしら……」
「どうしてですか?みんなサラさんと一緒にいたいのに……もしかして、もうアフターのお約束があるとか?」
「そういう訳じゃないんだけど……」
「じゃ。お願いします。一緒に行ってください」
それでも断り続けてたら周りの娘たちが何事か?って視線を送ってくる。
これ以上断ったら余計怪しまれるかも……
「分かった。準備してくるわね」
「ありがとうございます」
彩乃さんが満面の笑みで微笑みかけてくる。
「……」
いつもなら可愛いと思うその表情に、何とも言えない苦い感情を感じる。
「行くの?」
「ひっ」
またしても背後からローラママ。
全く気配がなくて、ほんと心臓に悪い。
「はい。行ってきます」
「ふーん。自分が辛くなるだけなんじゃないの?」
「アタシが?どうして?」
「上杉様は彩乃が連れてきたお客様でしょ?彩乃を気に入ってくださってるのよ」
「ありがたいじゃないですか。それにアタシは彩乃さんの姉だし……」
「それであんたが傷つかないんだったらいいけどね」
「傷つく?アタシが?どうして?だって彩乃さんの頑張りを応援するのは姉として……」
「まぁ。せいぜいプロとしての誇りを忘れずにね」
アタシがまだ話してたのに、最後まで聞かないでローラママは立ち去っていった。
「はぁ」
疲れがどっと出る。
ローラママとの会話に疲れたのか、これからのアフターのことなのか……
「行きたくないなぁ」
ケープを纏う音に紛れて本音が漏れた。
1時を過ぎて、最後のお客様を見送っていたら、彩乃さんが呼びに来た。
「どなたの?」
「村岡さんと上杉さんです。飲み直したいとおっしゃって」
「でも……アタシが行ったらお邪魔じゃないかしら……」
「どうしてですか?みんなサラさんと一緒にいたいのに……もしかして、もうアフターのお約束があるとか?」
「そういう訳じゃないんだけど……」
「じゃ。お願いします。一緒に行ってください」
それでも断り続けてたら周りの娘たちが何事か?って視線を送ってくる。
これ以上断ったら余計怪しまれるかも……
「分かった。準備してくるわね」
「ありがとうございます」
彩乃さんが満面の笑みで微笑みかけてくる。
「……」
いつもなら可愛いと思うその表情に、何とも言えない苦い感情を感じる。
「行くの?」
「ひっ」
またしても背後からローラママ。
全く気配がなくて、ほんと心臓に悪い。
「はい。行ってきます」
「ふーん。自分が辛くなるだけなんじゃないの?」
「アタシが?どうして?」
「上杉様は彩乃が連れてきたお客様でしょ?彩乃を気に入ってくださってるのよ」
「ありがたいじゃないですか。それにアタシは彩乃さんの姉だし……」
「それであんたが傷つかないんだったらいいけどね」
「傷つく?アタシが?どうして?だって彩乃さんの頑張りを応援するのは姉として……」
「まぁ。せいぜいプロとしての誇りを忘れずにね」
アタシがまだ話してたのに、最後まで聞かないでローラママは立ち去っていった。
「はぁ」
疲れがどっと出る。
ローラママとの会話に疲れたのか、これからのアフターのことなのか……
「行きたくないなぁ」
ケープを纏う音に紛れて本音が漏れた。