銀座のホステスには、秘密がある
沙羅双樹の花の色か……

これまで俺一人で独占してきた充伸の休日が、無くなることもあるって言いたいのか?

「晶、どうしたんだよ」
「考えごとだよ」
大学か……
同じとこ受けたいつったら、充伸は喜ぶだろうか。

「恋煩いか?まさかな。おまえ、そういうのに興味なさそうだもんな」

振りか?

「恋煩いかもな」

「うそっ。マジかよ」

だらけて座ってた充伸が前のめりに座り直している。
期待してるのか?

「だったらどうする?」

おまえが期待するんだったら、俺は正直に……

「晶に告られたら断る奴いねーだろ。ずりー。おまえもかよ。女いねーの俺だけになんじゃん」

俺が告ったら、断る奴いない?

「本当にそう思うか?」
「だってそうじゃん。ずりー。おまえとだったらナンパも成功するのによ。つーか、誰だよ。おまえ、誰に惚れてんの?」

「……おまえだよ」

「…………・・・―――   は?   」
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