銀座のホステスには、秘密がある
「休みの日に電話してごめんなさい」
「ええよ。ちょうどボーっとしてたから」
「良かった」
くつろいでる時の低い声。
もしかしたらお昼寝中だった?

「なんかあったかぁ?」
のんびりした口調の殿、このままずっと聞いていたいって気にうっかりなった。

「殿……」
「ん?」
「今度、アタシんちで鍋パーティーでもどうかなって思って」
「……いいの?」
「うん。ちゃんと彩乃さんも呼んでるから」
「あぁ。彩乃もおるんか。そうだよな」
「でね。いつ頃がいいかな?って」
「いつでもええよ」
「じゃ、来週の週末とかは?」
「急だな。でもまぁ、12月に入ったら休みほとんどないしな、来週土曜なら行けるかな」
「了解。土曜ね」

良かったぁ。
殿が来てくれる。
営業の電話より緊張した。

「さぁ。忙しくなるわよー」


気付けば、ガッツポーズを作っていた。
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