銀座のホステスには、秘密がある
新宿駅までサラとして見送りに行った。
「なんか妹ができたみたい」
姉ちゃんが照れながら言うから、
「妹にしてよ」
アタシまで恥ずかしいセリフを口にした。
今まで隠したり、演じたり、家族にも本当のことは言えないでずっと生きてきたから、
姉ちゃんの前に女として立ててる今が、すっごく不思議な気がする。
でも、悪くない。
もう姉ちゃんには隠さなくていいんだ。
「でも、まだ、お母さんたちには言えない」
特に、お父さんが知ったら、なんて言いだすか……
「分かった。誰にも言わない。だから、時々は電話に出なさいよ」
「うん……」
「ねぇ。晶が働くお店はあたしも行けそうなとこ?」
「うーん。高いよ」
「そうなんだ」
「接待とかで使う人が多いの」
「ふーん。なんて名前?」
「言っても分かんないでしょ?」
「いつか働く晶を見てみたい」
「……晶じゃないってば。サラ。クラブ モンテカルロのサラよ」
姉ちゃんは電車に乗ってからもアタシのことをジッと見てた。
一人で生きてるって思ってた。
誰にも頼らないでやっていけてると思ってたのに、
心配してくれる人がいる。
それだけで冷たい風も気にならなくなる。
アタシは一人じゃない。
そう思える。
「なんか妹ができたみたい」
姉ちゃんが照れながら言うから、
「妹にしてよ」
アタシまで恥ずかしいセリフを口にした。
今まで隠したり、演じたり、家族にも本当のことは言えないでずっと生きてきたから、
姉ちゃんの前に女として立ててる今が、すっごく不思議な気がする。
でも、悪くない。
もう姉ちゃんには隠さなくていいんだ。
「でも、まだ、お母さんたちには言えない」
特に、お父さんが知ったら、なんて言いだすか……
「分かった。誰にも言わない。だから、時々は電話に出なさいよ」
「うん……」
「ねぇ。晶が働くお店はあたしも行けそうなとこ?」
「うーん。高いよ」
「そうなんだ」
「接待とかで使う人が多いの」
「ふーん。なんて名前?」
「言っても分かんないでしょ?」
「いつか働く晶を見てみたい」
「……晶じゃないってば。サラ。クラブ モンテカルロのサラよ」
姉ちゃんは電車に乗ってからもアタシのことをジッと見てた。
一人で生きてるって思ってた。
誰にも頼らないでやっていけてると思ってたのに、
心配してくれる人がいる。
それだけで冷たい風も気にならなくなる。
アタシは一人じゃない。
そう思える。