メールで恋して…

ナル…

メールから知り合いになって…二回目に会った人!
ナル!!
また…心臓がドキドキと鳴る震えを感じながら…私は彼の車のドアを開けた。たぶん…グレー色の乗用車。

「は…初めまして…月子です…」

いろんなサイトに登録しては…消してを続けていた私だったけど…なんとなく、このサイトなら、安心かな?とか…このサイトは真面目な人もいるんだなとか?…少しづついたずら心でアクセスをしては…把握してきた事。
ほとんどのサイトは、女性は完全無料で…男性はポイントを買ってメールしたり読んだりしてるんだって事もわかってきた。サイト会社を通してメールするから…相手には、アドレスもわからないし、長く話を続けても、いいかなって?…だんだんとサイトに慣れてきた私は…複数の人とメールをしていた。
Aさんという55くらいのオジサンと…36歳のナルが、私のメル友になった。二人は、たぶん頑張ってポイントを買っては、私とのメールを続けていてくれたんだと思う。決してアドレスを教えて欲しいとは打ってこなかった。
私はナルから来る、本当に何気ない優しいメールに、心が動き出していた。いったいどこから…どんな風に…ハートが動いてしまったのか?やっぱり初めて知る世界は…私をピュアな10代のハートにしていたのかもしれない。
また、そんな10代みたいな私の心の変化を、毎回Aさんに打っては、恋の相談相手になってもらっていた。
一週間くらい…たわいないメールを日々かわしていたナルと私は、だいたいの仕事や家族の話、趣味なんかを話していた。
そして、お互い、顔も知らないけど…仕事から帰ってきたら…ただいまと打ち!寝る時には、おやすみなさい!って打つ。それだけで恋人気分になった気持ちで、心が踊って、毎日が楽しくなっていた。
ある日、私が、ドライブが好きなんだと書いて…じゃあ今度、千葉へドライブに行こうという話になり、私は早速、千葉のガイドブックを買って顔も知らないナルとのドライブに胸を焦がしていた。なのに、なかなか行く日が決まらなくて、それは、ナルの仕事や彼の趣味の野球の試合が詰まっててスケジュール調整が出来ないだけだったのだけど…私は、なんだか寂しくて…悲しくて…つまらなくて…書いてしまった。
「ナルなんか私を全然思ってなんかないんだ」って…
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