禁忌の泪
史音
 この人はなにをしてるんだろう。
 あたしは知らず知らず彼を見る。
「あんた、っていうのも失礼だな。悪かったよ。ちょっと殺気立ってて」
「いえ、あたしもぼけっとしてたし。……聞いてもいいですか?」
「俺は大学生だよ。生物学を専攻してる。歳は19」
 聞こうとしたことにスラスラ答えられて、沈黙してしまう。
「涙集めてどうするんですか?」
「聞いてどうするの?」 突き放すわけではなく淡々とした表情だ。
「手伝いたい……です。あたし、部活もしてないし、時間あるから。友達もいるし」
「」
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