スマイル 〜約束した君へ〜
死んだ人が悪いの⁉︎
そうちゃんが何したの⁉︎

お兄ちゃんでしょ⁉︎
兄弟なんでしょ⁉︎
可愛い弟なんだ…って、いつも言ってたよ…⁉︎



「河口君は…そうちゃんがキライなの⁉︎ …」


大好きだったそうちゃん。
自分のお兄ちゃんみたいに、いつも寄り添ってくれた人。
面白い本の話をしてくれた。
お見舞いに来てくれない両親の代わりに、何度も部屋へ足を運んでくれた。



『今日はお熱ない?』
『検査の時、痛くなかった?』
『寂しくないよ。僕がいるからね』


事ある毎に顔を出しては、励ましてくれた。
最初は煩わしかったけど、顔を見ない日は心配だった。


何の病気か知らなかった。
誰も教えてくれなかったし、聞いちゃいけない気がしてた。



『ボク、ここの常連さんなんだ』


そう言って笑ってた。
いつもいつも、笑ってばかりいた。
だから、そんな重い病気じゃないんだと思い込んでた。
だから、あの時、退院したら会いに来て…って言った……。


なのに…


たった2週間で…



死ぬなんて…………




「………うっ………うっ………ぐっ…っ……」



泣き声がくぐもる。
声を出そうにも出てこない。



そうちゃん…

そうちゃん………!



「………そうちゃん……会いたかっ…たのに………」



それしか言葉が出なかった。
それ以外、言葉が見つからなかった………
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