スマイル 〜約束した君へ〜
病院の中庭でおひさまの光を浴びながら待ってた。

今日でお別れだから、いつもと違う場所で会おうと、そうちゃんが言ったから。


『まだかな〜』


ベンチに座り、足をユラユラさせてた。
入院してから久しぶりに浴びる太陽の光りのは眩しくて暑くて仕方なかった。

そうちゃんが来たら、何を話そうかな…って考えてた。
今日が最後だけど、最後にしたくない気持ちが強くて……


(……ゼッタイにまた会おうねって約束するんだ〜)


頭の中でそればかり考えてた。
「スキ」って気持ちは、言葉は伝えられたら伝えようと思ってた。



『…はるな、まだ⁉︎』



ママが呼びに来た。
退院する1週間前から、急に会いに来てくれるようになった。



『時間ないのよ!急いで!』



イライラするように時計を見てる。


『…もう少しだけ待って!そうちゃんはきっと来るから!』


昨日会いに行った時、少しお熱があるんだと言ってた。
でも…


『明日には下がるから……中庭で会おう…僕…必ず会いに行くよ…!』


指切りげんまん……守れなかったら、針何本でも飲むよ…って、言ってたもん。


ママは電話をかけに行った。
そこへ軽い足取りが聞こえてきた。
そうちゃんのじゃないな…って思ったけど、自分の名前を呼ばれた。



『はるなちゃん!!』



ビックリするくらい大きな声。
一瞬誰かと思うくらいだった。
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