スマイル 〜約束した君へ〜
見つめてるまりんちゃんの目に、涙がどんどん溜まってく。
溢れ返ってこぼれそうになった時、初めて私のことを睨んだ。


「ハルナのせいよ!!」


逆恨みを口にした。言葉も返せず、私はまりんちゃんを見つめ直した。


「やめろ、まりん!ますます嫌いになっぞ!」


トドメを刺す。
こぼれ落ちた涙は頬を伝って、まりんちゃんは教室を飛び出していった。



「まりんちゃん……!!」



追いかけようとしたのに止められた。




手を握ってたのは……




「……河口君…」



ぎゅっと握って、放そうとしなかった。




「…ほっとけ。まりんはそんなやわなオンナじゃねぇ」


諦めるまで放してくれない。

どこか10年前を思い起こさせる感触。


……あの日の出会いの意味を、私は改めて、思い返そうとしてたーーーーー
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