スマイル 〜約束した君へ〜
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兄貴の代わりに会いに行ったオレは、ヤツがどこにいるのか分からなくて、焦って大声を上げた。


『ハルナちゃん!!』


声に気づいて立ち上がった子は、同い年には思えないくらい小さくて、可愛い顔をしてた。


『そうちゃん!』


ハリのある声で兄貴を呼んだ。
オレはドキドキしながら、その子に近づいた。

ニッコリと小首を傾げて笑う女の子に首に『三つ星』発見。
その笑顔に、釘付けになったのを覚えてる。



『…また…会いに来て……』


走って来た胸の動悸とは別のものを感じながら頼んだ。
兄貴のため…と言うよりも、もしかしたら、自分の為に近かった。
だから、オレは、あんなできもしない約束を、代わりにしてしまったのかも……。




(…よせ、やめろ!思い返すな!)


自分に言い聞かせるように首を振った。


(コイツはオレのキライなヤツ。そう思ってきたじゃねぇか)



……大好きな兄貴を独り占めしてたヤツ。
亡くなる前まで、ずっと兄貴が好きだったヤツ。
その兄貴とオレを間違えた。
コイツにとって、アニキという存在はそれ程重要でもない気がしてた。



『今でも大切な人なの!』

…そう断言されて、軽くショックを受けてる自分に気づいたのは、アイツを引っ叩いて、家に帰ってから。
目の前で大泣きしてたアイツの姿に、自分の方が泣きたくなった。


『…自分も……まりんちゃんも…傷つけないで!』

そう言って心配された。
そんなヤツだからこそ、兄貴はあの子が好きになったと思った……



(くそっ!)


結局、また考えてる。
キライなヤツだって、ずっと思ってきただろ!
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