スマイル 〜約束した君へ〜
……何故だか知らねぇけど、次の日から干されてたヤツ。
まりんに話を聞いても「知らないよ」の一点張りだった。


『…昨日、大変だったんだぜ…』


こっそりダイゴが教えてくれた修羅場。
オレとアイツのいざこざを、見てた奴らがいたんだ。


(アホじゃねぇのかコイツ。さっさとホントのこと言っちまえばいいのに…)


そう思って知らん顔した。
話しかけるのはダイゴしかいなかったけど、ヤツは平気そうだった。


…バド部の活動中も、知らん顔されてた。

キャプテンである穂波センパイの眼には、ダイゴしか写ってなくて、ヤツのことなんか気にも留めてねぇ。
あんだけ可愛がってても、所詮ココロの狭いオンナなんだな…と思った。


(…しかし、コイツ、なんでホントのこと言わねぇんだよ…)


一週間経っても黙ってるヤツのことが気になりだした。

兄貴がアイツの「初恋の相手」で、死んでるって話を聞かされた。
おまけにオレが失恋のヤケクソで、まりんと付き合ってると知り、本気で付き合えと言った…と、話せばいいのに。


ーーーそう言われてもいいと考えてた。
兄貴の話をされても、まりんとテキトーに付き合ってると言われても、構わねぇ気持ちだった。


じ…と耐えてるアイツを毎日見るのは気が引けた。
自分に関係のある話が原因なだけに、全くムシするのもいい加減イヤになってた。

そこへ持って来て、席替えのあの騒動。

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