スマイル 〜約束した君へ〜
…聞いてねぇよ。半分以上寝てたんだから。


「私、オリエンテーリングするの初めて!地図見ながらポイント探してくってやつでしょ⁉︎ 楽しみだなぁ!」


呑気でお気楽。羨ましい限りだ、コイツは。


「…ハルナ、地形図は見れるの?」


まりんが一応…って確認。


「ううん。全然!」


胸張って返事してる。


(アホか、コイツ。…そこんとこ、胸張るようじゃダメだろ…)


心の中で呆れる。
バカにしてるって言うより、可愛いヤツって感じの笑いが起こる。

マリンとダイゴも呆れる。あっけらかんとしてるのは、当の本人だけ。


「キャンプファイアーとかもあるって…盛りだくさんだね!」

(それもダリぃんだよ…)


要するに、なんもかんもがメンドーくせぇ。そういう年頃なんだ、オレは。


「飯盒炊飯もあるって言ってなかった⁉︎ 」
「言ってた!言ってた!着いてすぐ!」

(ゲッ!マジか…それまでやんのか…⁉︎)


先が思いやられる。
こんな体験学習、なんで高等部に入ってまでやるんだ。


「係りいろいろ決めとかないと、後々メンドーだな…。取りあえず班長はオレやるから、飯盒炊飯の薪係りと調理係り決めようぜ!」
「ハイハイ!私にカレー作らせて!」

こだわりあるの…って、まりんが立候補。


「じゃあ私、薪集める!」
「なら、ソウヤ、お前も薪集めな!」


ダイゴが勝手に決める。
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