スマイル 〜約束した君へ〜
どんな事情があるか知らないけど、ヤケになって生きたって、いい事なんか何もない…と思った……。


「そうちゃんのことを思い出すたびに励まされた。ずっと、会えなかったけど…どっかで元気でいてくれるに違いないって思ってた…。だから、亡くなったって知って、ホントにツラくて…心の拠り所が無くなってしまったみたいで…力が抜けた……」




「ごめん…」


そらしてた目がこっちを向いた。
気弱な男の子のように見えて、ううん…と首を振った。


「ホントのこと…教えてもらって嬉しかった…。悲しかったけど、キチンと約束が果たせたこと…心の底から有難いって思う…」


目の前にいる人。
そうちゃんに成り代わって、私に会いにきてくれた人……



「……そうや君……私の大事な……そうちゃん……」


感謝を込めて名前を呼んだ。
戸惑う彼に、とびきりの笑顔を見せる。


「…ありがとう…あの日、私に会いに来てくれて……」


ーー感謝してもしきれない。

あの日、未来を約束してくれ人がいたから、私はどんなショックを受けても、頑張ろうって思えた。
だから、どんなツラい目に遭ってても、大丈夫…って乗り切れた。


(私には…この人がいるから…。同じ悲しみを…背負って生きてる人だから……)



「……ハルナ!」


力強い声は、昔と変わってない。
ううん…昔よりもはるかに大きくて、元気で…その手も体も…全身を使って、私を受け止めてくれる……。
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