スマイル 〜約束した君へ〜
それだけはねぇ…って自信ある。
あの崖下で話をした後、「きのした はるな」は全くオレに話しかけてこなかったから。


(…嫌われてんだろーな…オレ……)


いろんなイミで。


「どうするの⁉︎ 行くの⁉︎ 行かないの⁉︎ 」


気の強ぇオンナが問い詰める。


(…まりん…お前、オレと距離置いてんじゃなかったのかよ)


ツッコミたくなるのは山々。でも、今は別問題。


「…分かったよ。行くよ…イチオー」


口とは反対に気持ちは(ヤッタ!)って思ってる。
コイツらが誘ってくれなかったら、多分、一人でなんて行けてねぇから。


「…ところでさ、オリエンテーリングのブービー賞って何だよ」
「これ!」


じゃじゃ〜ん!と大きな袋見せた。


「菓子じゃん…」

しかも駄菓子。

「ひでぇな…」
「…そう?でも、ハルナ、お菓子大好きって言ってたよ!」


まりん情報。

「いつもご飯食べないで、お菓子ばっか食べてるようなこと言ってたし…」

宿学中に聞いたらしい。


「ハルナちゃんのママ、夜のシゴトだからかな?」


ダイゴが理解示す。


「違うでしょ。キホンあの子、お菓子好きなんだと思う。だから喜ぶよ。コレ!」


駄菓子の詰め合わせ。センセイ達の選択にも呆れらぁ。



ーーーー 部活を休んで見舞いに行くと言った。
緒方さんは「きのした はるな」のことを心配してたから、これ幸いとばかりに、提出物の入った袋を手渡した。
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