スマイル 〜約束した君へ〜
「わっ…こんなイッパイ!」


顔より袋の方がデカい。


「ハルナ、お菓子大好きって言ってたでしょ。だから喜ぶと思って…」
「ありがとー…でも、最近、ちょっと食べれないんだぁ…」


残念そうな顔。


「どうして?」


まりんが聞き返す。


「減塩食…って言うの⁉︎ …アレ食べて始めてから食欲ないの」
「減塩食?」
「うん…薄味…って言うより、殆ど味しないんだけどね……」


仕方ない…って言い方する。
ダイゴとまりんが顔合わせる。
ほら見ろ。何も考えねぇからこんなコトになるんだって。


「でも、せっかくだから1個食べようかな…食事は食べれなくても、お菓子なら食べれるかもしれないし…」


嬉しそうにする。
ダイゴとまりんの顔色、伺ったな…。


「そ…そうよ!1口食べてみたら意外にいけるかもしれないよ!」
「病院食はマズいって言うしね」

「…うん…じゃあ皆も食べよ。ねっ!河口君も…」


こっちおいでよ…って手招き。
オレは病室ってとこがニガテで、おまけにベッドってやつも大キライ。
でも、コイツのことは好きだから……

(…まっ、行ってやっか…)


言い訳だらけ。
いい加減、素直になれってんだ。


まりんが菓子の入った袋を開ける。
ラムネやらグミやら…って、まるで小学生扱い。


「ハルナ、どれ食べたい?」


全種類出して見せる。
< 145 / 168 >

この作品をシェア

pagetop