スマイル 〜約束した君へ〜
どこまでもお節介なダイゴに呆れる。
素直に返事のできないヤツに、まりんが仕方ないな…って顔して切りだした。


「ハルナっての⁉︎ ヨロシク!まりんです。『香月麻鈴』」
「よ…ヨロシク…『木下 陽菜』です…」


身長差あり過ぎて、同じ学年に見えねぇ。
とりあえず握手を交わした所で、オレは群れを離れようとした。


「…おいっ!待てよ、ソウヤ!」


ダイゴが追いかけて来る。


「…面倒見なくていいのかよ!」


後ろを振り返る。


「大丈夫だ!後はまりんが何とかする!」


ほら…と指差し。

『鶏』の女子の中でも、一番面倒見がいい奴が、周りの鳥たちにアイツのことを紹介してる。


「これでオレの役目はほぼ終わりだな!」


ホッとしてやがる。


「……大した奴だよ、お前は…」


水引き案内人。ダイゴはいつもそんな感じだ。


「お前今回、何もしなかったな!このお代は高くつくぞ!」


昼メシおごれ…!とか言ってくる。
それを肩で避けながら、オレは少しホッとしていたーーーーー




午後からは係決め。
高等部にもなると、今まで以上に仕事が多くてイヤになる。

とりあえず、クラス委員はいつもの如く『ダイゴとまりん』

二人が前期の委員を務めることは、ほぼ慣わしに近かった。


「次ー!図書委員やりたい人!」

まりんの声にソッコー手挙げる。


「ソウヤ以外の男子、いないのー⁉︎ じゃあ決まりね!女子はー⁉︎ 」
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