スマイル 〜約束した君へ〜
「すみません…ちょっと見せてもらっていいですか⁉︎ 」

右側から声がする。
チラッと視線を向けた先、髪を二つに分けたオンナが立ってた。

「あ…スマン…」

塞いでた道をあける。
ちょこちょこ…と掲示板に近寄るオンナ。


(見たことねぁな…編入生か…?)


後ろ頭に目が行く。
真っ直ぐな線で分けられた髪。
地肌の色が真っ白で、妙におもしれー。


「え…と…1…はなし、2…でもない…3……組か…」


指で差しながら自分の名前を確認してら。


(トロそうな奴…)


頭の中でバカにする。
口に出そうもんなら、その場で母親たちに張り倒されるから。


「はるな、何組だった?」


母親らしき人がやって来た。
茶色に染めた髪がクルンクルンに巻かれてる。

(お水系か…?)


そんな事を連想させる派手さがある。
掲示板を見てたオンナは振り返り、母親の質問に答えた。


「3組だったよ。ママ」


(ママ⁉︎ )


「高校生にもなって未だにママかよ」…って言葉を呑み込んだ。
イマドキの若者は大半がそうだって、この間テレビで言ってたばっか。

(でも、実際聞いたのは初だな…)

呆れながら二人の会話に耳を傾ける。

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